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急かされて喉が渇いていた。
一人で部屋を出る事は初めてなので、
ラウンジでお茶をしたくなってメニューに足を止めた。
好きな君山銀針がある。
躊躇ったもののしかし入らず、玄関の回転ドアを目指す。
中国茶は利尿作用が強いので、帰宅までの小一時間に慌てたくなかった。
夜10時になるというのにまだ沢山の人々が団欒食事している。
先程のいつもの鮨やといい、いつ見ても賑わっていて
そこいらで見掛ける人々とは身に付ける物からして違うのだから、
世の中勝ち組負け組等と騒がれるのも納得である。
部屋の窓からは、近代建築のメタリックと六本木へ向かう車のバックライトが
浮かんでは消えた。
今日はわたしの大遅刻でカウンターが満席。
テーブル席となり、つまみは取ったが握りはお好みではなくセットになった。
ホテルネームの入った封筒をバッグに忍ばせわたしは、
没落華族のような気分でロビィからラウンジを見ながら通り過ぎる。
本当はそんな気分すらとうの昔に無くしている…。
それを払拭してくれるからこそ続いていけるのだ。
わたしは部屋からすぐ一人になれた開放感にひたって、
没落した自分を立て直す野心に充ちたブルジョアの足取りで、
回転ブースをくぐった。
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【2008/02/26 22:15】
エッセイ |
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